会長の時間26 平成25年1月23日(水)

2013-01-23

「狼と子羊」2013.01.23

日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎

 

今日は、保育園で本当のイソップを知るために購入した原典「イソップ物語」の第一話「狼と子羊」を紹介します。

 

ある夏の暑い日、子羊が崖下の清水を飲もうと思って下りていくと、狼と出会いました。

 

狼は、何か喧嘩を吹っかけてやろうと思って「オイ、貴様はなぜそんなに水をかきまわして飲めないように濁らせるのだ」と決めつけました。

 

子羊は脅かされてオドオドしましたが、なるたけ下手に出て「私の飲んだ水は、貴方の方から流れて来ますので、そこまで濁る筈はございません」と素直に答えました。

 

すると、狼が「それにしても貴様は悪いやつだ。半年前に俺のことを散々悪く言ったではないか」と言いがかりをつけました。

 

子羊は「いえいえ、半年前には私はまだ生まれておりません」。

 

すると、狼は大層腹を立てて唸りだし「何だと、貴様にしろ、貴様の親父にしろ、悪口を言ったのは、つまり同じことだ」と言って、かわいそうに罪もない弱い子羊を食い殺してしまいました。

 

この第一話を読んで、どこかの国の外交のようではないかと思いませんか。

 

第一話の警句には「乱暴な人間は自分の悪事に言い訳を作るのが上手です。

また、心の邪まな者が不義を行おうと思えば、造作もなくその種を作るのです。

そんな人間には決して気を許してはなりません」とありました。

 

相手の言いがかりに対し、その背景と意図をしっかり見極めなければ、相手の思うつぼか、後手にまわって被害を拡げてしまいます。

 

イソップ物語が読み継がれてきたのは、いつの時代も変わらない人間社会の真理が含まれているからです。

 

「人を疑ってはいけません」「みんな善い人だから仲良くしましょう」というのも間違いではありませんが、一方で心の邪まな者がいるのも事実です。

 

もう「冬の間、アリとキリギリスは仲良く暮らしました」のような戦後版の童話ではなく、原典に忠実な、厳しい「イソップ物語」を読むことが、子供たちだけではなく、大人にとっても必要な時代なのかもしれません。

 

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