会長の時間36 平成25年4月17日(水)

2013-04-17

「母と子のスキンシップ」2013.04.17

日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎

 

4月の初めは新入の乳幼児が入って来ます。

初めて保育園に来る子は母親から離れるのを嫌がって、母親にしがみついて必死に泣きます。そんな子を園に慣らすために「慣らし保育」を行います。

 

最初の日は1時間から始めて、その子にあわせて徐々に保育時間を長くして、小さな乳幼児に無理のないように少しずつ慣らしていきます。連休までにはほとんどの子が慣れますが、連休で母親と一緒に過ごすと、連休明けに、また、ぐずるというのが毎年の通例だったようです。

 

ところが、年々、泣く子が少なくなっているということなので、私は、最近の子は知恵がつくのが早いからかなと思いました。

ところが、何十年も見てきたベテランの保育士たちに言わせると、それは違うそうです。

 

子供は泣く方が良いのだそうです。それは母親と乳幼児との「心とスキンシップの繋がり」がしっかりできているからだそうです。泣く子に聞き分けがないと困る親には「大好きなお母さんと別れるのが悲しいのですよ」と伝えるそうです。

 

逆にいえば、泣かない子には母親との密接なスキンシップが不足しているから、母親と離れても何とも感じないのかもしれません。

 

昔は3歳までは母親が子育てした方が良いという考えが広く社会一般にありましたが、厚労省は、それを「三歳神話」だとして以降、年々あずかる乳幼児の年齢は下がっています。

働く女性が増えたということもあるでしょうが、現在では生後3、4か月から乳児をあずかるようになりました。

 

であれば、尚更のこと、母子が触れ合う時間をたっぷり取ってほしいと思いますが、一旦「社会で子供を育てるという世の中」になると、なかなか、そうもいかないのが実情です。社会が高度化するにしたがって、肉親の関係までもが希薄になるのは寂しいことです。今後、どのような社会になるのか心配でもあります。

 

江戸の子育てでは、母親はもちろん祖母までもが、子供を裸で抱いて寝たとあります。

だから、日本人には自立心がないのだというような説がまかり通った時期もありましたが、先人の子育ての知恵を見直す必要もあるかも知れません。

 

 

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