会長の時間24 平成26年1月8日(水)

2014-01-08

「甲午(きのえうま)」2014.01.08

日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎

 

明けましておめでとうございます。正月三が日は実に穏やかで静かな天気に恵まれましたが、皆様方も良き年をお迎えになられたことと存じます。

 

さて、おせち料理では最近、偽装で話題になったエビをめでたいこととして使いますが、陽明学者の安岡正篤先生は、俗説では夫婦が共に老いて腰が曲がる迄めでたく暮らすという意味からエビを使うというが、腰が曲がったのではあまりめでたいとは言えない、という疑問をかねがね持っていたそうです。

 

あるとき安岡先生は生物学者の説を聞いて初めてめでたい理由がわかったそうです。

つまり、エビは殻を脱ぎますが、万物みな固まる秋になっても、エビだけは固まらないで殻を脱ぐ。

エビが殻を脱がなくなった時は死ぬのだそうです。だから生ける限り殻を脱いで常に新鮮である。

なるほどそれならめでたい。エビのごとく常に生命的であり、新鮮であり、進化してやまぬのであれば、こんなにめでたいことはないと先生は書いています。

私共も六十になれば、それなりに、七十、八十、九十になってもそれなりに殻を脱いで常に新鮮で生命的でありたいものです。

 

さて、今年の干支(えと)は甲午(きのえうま、こうご)です。同じく安岡先生の本からですが、

甲は、春になって木の芽が冬の間かぶっていた殻を破って出てきた姿だそうです。だから物事のはじめを意味し、「はじまる」とも読み、またはじめという意味から十分に慎重にやらねばならないので、「つつしむ」とも読むそうです。しかし、人間はともすれば旧来の陋習になれて、改革・革新をやらず、因循姑息になるので、甲の字には「狎れる」という意味もあるそうです。

 

チャイナは古来、天災や人災が絶えないので、様々な現象や歴史や経験を帰納的に思索して、易経などのシナ哲学が生まれてきたのでしょうが、一つの事象を多面的に捉える考え方は大変面白いと思います。

 

ある意味チャイナではどう処世していくかに、個人や一族の命運が掛かっていますから真剣にならざるをえません。かつて、勤務していた会社で台湾から来た研修生に「橋本さん、日本ではお世辞を言うことを『ごまをする』と言いますね。ゴマをすってもいい香りがするだけです。中国語では『拍馬屁』といいます。屁にはお尻の意味があります。ですから、下手に馬の尻を叩けば馬に蹴られて死んでしまいます」といわれたことがありました。中華圏ではゴマをするのも命がけです。

 

故宮博物館では「皇帝に宝物を献上するには審査する人がいて、お眼鏡にかなえば莫大な褒美をもらえるが、かなわなければ首を斬られる」と聞いたこともあります。

 

さて、甲午の年といえば、百二十百二十0年前(明治二十七年)の朝鮮半島では、役人による不当な課税など苛政にあえぐ民衆が怒り、そのころ朝鮮で広まっていた新興宗教「東学」の指導者を中心に「東学党の乱」が起きました。これを機に出兵した日清両国が衝突して日清戦争が勃発したのもこの年です。

百二十年後の北朝鮮も苛政といっても過言ではないと思います。朝鮮半島が有事となれば、極東情勢は一気に流動化します。日本も好むと好まざるとにかかわらず局外にはいられません。

 

六十年前の一九五四年(昭和二十九年)は自衛隊が発足した年でもあります。最近、国家安全保障会議(NSC)や特定機密保護法、防衛大綱の変更など政府の動きが急ですが、我々が思う以上に我国を取り巻く安全保障の環境は悪化しているのかもしれません。

 

今年の甲午は未だ明らかではない大きな変化の始まりかもしれません。あらゆる事態を想定して慎重に準備すべき年なのかもしれないと思います。

 

 

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