「言語聴覚士とは」日田コネクト  立川賢祐氏

2017-11-15

言語聴覚士とはリハビリテーション資格の一種です。対象の方は先天的な脳性麻痺であったり骨などに障がいがある方、後天的なこととしては脳卒中や交通事故などが原因になります。口の周りの筋肉に支障をきたしていたり、脳の機能が低下していたり、言葉が話せなくなるのにはいろんな原因があります。簡単に一部ご紹介しますと、失語症という症例があるんですが、ある日言葉を全く無くしてしまった状態をいいます。また発達障害と言って自閉症とか、ダウン症とか聞かれたことがあると思いますが、そういうお子さん達や、困った方々に、どうやったら私たちの気持ちが伝えられるか、ということです。またこれは皆さんに一番関係ある話ですが年齢を重ね、嚥下障害を起こすとものが嚙めなくなり、どうやって食事をしたらいいかということを支援します。介助ベッドの上ではどうやって食べたらいいか、実際に食べやすい嚥下食を作ったりもします。また福祉施設の方には、どういう風に嚥下食を食べさせたらいいかなどの指導もしています。  さてなぜ私は開業したのかという話です。一般的に言語聴覚士は入院されている方にサービスをすることが多いです。しかしどうしても制度の中では本質的な生活から離れた病院でサービスをすることになります。言葉は、話したいという気持ちがあって初めて話すものですので、もちろんこちら側も会話の種になるものは用意していきますが、「話すことがありません」と言われることもよくあります。嚥下トレーニングにおいても食事は一日三回ありますが、なかなかそのタイミングに合わせることが難しいこともあります。やはり在宅でその方がされている生活の中でサービスを行うことに理想を感じています。また制度の狭間にいる方も多く、若くしてパーキンソン病になってしまった方や、ショートステイの方は言語聴覚のサービスを利用しにくかったりします。あとは自分の考え方ですが、自分の生まれたこの日田の中を走り回って、地域のニーズを把握したい。もっと日田を深く知りたい、ということで自分で個人事業を始めました。とはいってもリハビリテーション資格は自分で医院などを起こす開業権はありませんし、業務独占の資格ではありません。ということで言語聴覚士という仕事を持ちながら、言語聴覚士でなくてもできるサービスを提供するということで行っております。例えば教育の分野でも知能が発達していく中で子どもたちの活舌が良くないということもあります。どうしても「つ」や「か」が言えない子どものサポートなど、診療の補助行為だけではないことにも私たちは関わります。またサービスを行う際には必ず医師の指導をもらうことになっております。必要性を十分を説明して頂いた上で、納得していただき、サービスに取り組んでいます。今実際何をしているかというと、いろんなところを走り回って、幼稚園で嚥下障がいや発達障がいのお話をしたり、医療機関から保険診療以外のお仕事を紹介していただり、ということです。医療機関に問い合わせ、やってもいいよ、ということで、最初はびくびくしながら過ごしていましたが、非常に沢山の先生方にご配慮いただきまして、日田で仕事ができております。料金は自費となり、訪問で当事者の介護支援ということでサービスを行っております。実際自分で初めてみて、在宅サービスがなくて現在困っている人は本当にたくさんいることに気づきました。割合とすれば0.06%ですから、相対的には多くはないはずなのですけど、確実に困ってらっしゃる方がたくさんいます。また医療・介護業界においても、実際どう対処していいかわからない、と悩んでおられる事業所さんも沢山あることも感じました。保険制度にはつきものですが、制度の間の溝で困っている方は確実にいます。以上が、私が日々何をしているかということです。  最後に今後日田で何をしたいか、ということです。まずは言語聴覚士の必要性を広めたいですし、いろんなところに言葉の発音や、呑み込みで困っている方のサポートをすることで実績をつくっていこうと日々奮闘しています。また無料相談会も開いています。これは(日田ロータリーの)宮崎先生にご助言頂いたのですが、嚥下障害の人でも食べられる料理のお店も開けたらと思うのですが、開業資金がありません(笑)。大分県には「なしかい?」という言葉がありますが、「なし会」という障がいがある方の集まる会も開催しています。同じ悩みを持つ方のネットワークづくりもやっていこうとしています。またそのような子どもを持つ親御さんもサポートしていきたいです。なぜ病院で働く選択ではなく独立したの?とはよく聞かれますが、やはりこういった活動の根幹にあるものは、もう一度生まれ変わっても、この生まれ育った日田で安心して生活したい。そういう街を作っていく手助けをしたい。ということです。それを信念に持って仕事を続けていきたいです。本日はお話をする機会を頂き、大変ありがとうございました。

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