会長の時間25 2019年1月23日(水)

2019-01-23

インフルエンザについてPart1

日田ロータリークラブ 会長 膳所和彦

 今年も例年と同様にインフルエンザ感染症が流行っています。先日宮崎先生の卓話にてインフルエンザのお話がありましたが、現在日田市では流行がピークになっていますので、会員の皆様に注意勧告する目的で再度詳しく説明いたします。インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症です。現在判明しているインフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類があり、ヒトに流行するのはA型とB型です。A型はヒト以外の動物で、ブタやウマなどの哺乳類そしてカモやニワトリなどの鳥類でも感染が見られます。一方B型はヒトのみの感染と言われています。A型インフルエンザウイルスの大きさは80-120nm(1nmは1mmの100万分の1)で、表面にタンパク質がスパイクのように突き出しています。このタンパク質のうち重要なのが、ヘマグルニチン(H:16種類)とノイラミニダーゼ(N:9種類)があり、この組み合わせによって144とおりの亜型の分類にされます。このようにインフルエンザウイルスには多くの亜型があり、また同じ亜型でもその抗原性が頻繁に変化するため毎年違うタイプのインフルエンザが流行するのです。

 一般的にA型、B型インフルエンザの流行には季節性があり、日本では例年12月から3月にかけて流行し、短期間で多くの人が感染します。日本では毎年約1,000万人がインフルエンザに感染しています。日田市においても先々週の1週間でインフルエンザ感染者が762人、そして先週は738人とまさに現在ピークとなっています。昨期はB型が主に流行しましたが、今期は今のところほとんどがA型の感染です。インフルエンザの症状はいわゆるカゼ症状と類似していますが、①急激に発症すること、②38℃の高熱となること、③強い全身症状があることなどが鑑別点となります。これらの点よりもむしろインフルエンザが流行していると言う事実が診断の有力な手がかりです。インフルエンザの感染を予防するには、まずワクチン接種を受けることが最も重要ですが、とりあえず一般的な注意事項をお話します。とにかくインフルエンザ流行期には健康管理に気を付け、十分な栄養と睡眠をとることです。人が多く集まる所に行く時はマスクを着用し、アルコール消毒液で手を消毒すること、さらに部屋では加湿器を使用することをお勧めします。また「咳エチケット」を守ることも重要です。「咳エチケット」とは、咳やくしゃみをする時に、①他の人から顔をそらす、②ティッシュなどで口と鼻を多い、使用後のティッシュはすぐに捨てる、③マスクを着用することです。これにより周囲に病原菌を飛び散らないようにします。インフルエンザの潜伏期間は1-2日で、発症する1日前から発症後5-7日は周囲の人に移す可能性があります。したがってインフルエンザと診断された場合、発症日(通常発熱した日)より5日間は必ず自宅安静するよう指示します。つまり約5日間は仕事や学校を休まなければなりません。多くの人がインフルエンザに感染し、自宅療養して仕事を欠勤したり、学校を休んだりすると社会生活へ大きな影響を与えることが危惧されます。私達はとにかくインフルエンザに感染しないように努めること、そしてもし感染したらそれを周囲に広げないようにすることが非常に重要となります。

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