会長の時間40 2019年5月22日(水)

2019-05-22

児童虐待防止法の改正

日田ロータリークラブ会長 膳所和彦

ここ数年親権者により児童が虐待を受ける事例が増えています。特に衝撃的だったのが、今年1月に千葉県野田市で小学校4年生の女子児童が実の父親に虐待を受け、死亡させられたという事件でした。この悲惨な事件では、加害者である父親による日常的な暴力が認識されており、児童相談所や市教育委員会もその対応に関与していたことです。特に児童が悲痛な虐待の事実を訴えていたアンケートの文章を父親の恐喝に屈し、父親に見せていたことは極めて大きな問題となりました。これらの相次ぐ児童虐待事件を受け、政府は児童虐待防止法の改正に取り組む姿勢を示しました。児童虐待防止法は平成12年に成立した法案で、児童への虐待を防止し、虐待を受けた児童を早期に発見・保護するための法律です。しかしながら、この法律では不十分であると判断し、改正案では「体罰禁止の法定化」、「介入担当者と保護者支援担当者の分離」、「児童相談所への弁護士の配置」、「児童に関する情報漏洩の禁止」などが盛り込まれています。しつけ名目での子どもへの体罰を禁止することを明文化したのですが、これには様々な意見が出ています。私は娘3人でしたので、暴力をふるったことはありませんが、部屋に閉じ込めたり、「家から出て行きなさい」と叱責したりしたことはあります。どこまでが「しつけ」で、どこまでが「体罰」なのか、きちんとした線引きをするのは非常に困難ではないでしょうか。

これに関連した記事が新聞に掲載されていました。政府は学校を長期欠席している子どもが虐待を受けていないか、緊急の調査を行ったのです。その結果を見てまず驚いたのが、学校に長期通っていない生徒が全国に約18万人いることです。さらに、この中で面会できた約16万人のうち、「虐待の恐れがある」と断定された生徒は2,656人で、「虐待の可能性が否定できない」と判断された生徒が9,889人いたそうです。つまり全国で少なくとも1万人以上は現在虐待を受けているかもしれないと言うことです。果たして2020年4月に施行される予定の児童虐待防止法の改正法によって、これらの虐待児童の数を減らすことができるのでしょうか? おそらく学校、児童相談所、教育委員会だけで対処するのは限界にきています。地域活動や民間団体などと連携し、子どもを見守る目を増やすような仕組み作りが必要と思われます。

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