会長の時間29

2022-05-18

日田ロータリクラブ会長 河津龍治

決算

 

上場企業の決算発表がピークを迎えています。資源高や円安が追い風となり、今年の3月期に最高益となった企業の比率は30%と約30年ぶりの高水準になったようです。当社も、売り上げが30億円を超え、適正な利益も確保することが出来ました。決して草野家住宅やローレル、YKTの工事で儲けたわけではありません。

 

30億以上売り上げているのは、日田市内でも5社程度しかいません。当社は他の建設会社と違って、国土交通省の仕事を直接貰って、工事を行います。工事では当初設計で見ていないことがいろいろ出てきますが、全て変更で見てくれます。1億円の工事が2億円になったりします。しかし、他の建設会社は大分県や日田市の工事がほとんどで、国から予算を貰って工事をしていますので、変更はほとんど見てくれず、泣き寝入りをしているのが、現状です。

 

では誰でも国が発注する工事が出来るかというと、はっきり言って出来ません。全て、建設会社には点数が付いていて、売上高、利益率、技術者の数、会社の成績、現場に貼り付ける技術者の点数など、いろんなことが加味され、入札を行います。日田市内で道路関係の国土交通省の仕事をしているのは、当社だけです。河川関係は当社以外で後1,2社です。大分県下でも国土交通省の仕事をしているのは、十数社だけです。当社は建築も含め、20ヶ所以上現場がありますが、そのうち国土交通省の仕事は6ヶ所で、利益の大半はこの6ヶ所から出ています。

 

しかしこうなるまでには長い歴史と努力があったわけです。私が小学生の頃、三芳小学校の周りには、下筌松原ダムの関係で、当時は建設省と呼んでいましたが、平屋建ての官舎がたくさんありました。母は毎年、引っ越し時期は手伝いで大忙しです。親父は毎晩、毎晩接待で飲み周り、顔を合わせることはありませんでした。私は建設省の子供が転校してきたら、いじめに遭わないように守ってやるのが役目で、当時から営業をしていたわけです。私は学校を卒業し、人吉の会社で川辺川ダムの工事に携わりました。当時、建設省の方は、親父と飲んで回った人がほとんどで、河津の息子かということで、大変かわいがって貰いました。建設省のダム技術者はダムばかり回るようで、下筌松原ダムから川辺川ダムと流れていったようです。我々建設業は普通の製造業と違って、現場所長の技量に左右されます。1億の現場で1千万残すか、1千万赤字か、所長次第です。その為には高い給料を出して、優秀な社員を雇わなければなりません。給料が高いと、Uターンして来た人たちは、必ず当社に声をかけてくるようになります。その中には、国立大学をでて、大手企業でばりばり働いた方もいます。社内では競争が激しくなります。国土交通省の仕事をすれば、利益が出るのですが、県や市の工事に比べ、書類も多く管理が大変で、検査が終って80点以上取らなければ、次の入札に影響すると言うことで、必死です。だから社員の中には給料は下がっても良いから、県か市の仕事をさせてくださいという方もおります。うちの社員は他の会社の社員に比べ優秀ですが大変です。だから給料も良い分けです。「金を残して死ぬ者は下、仕事を残して死ぬ者は中、 人を残して死ぬ者は上」という言葉がありますが、全くその通りです。当社は人に最大限の投資を行っています。

 

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