会長の時間2 平成24年7月11日(水)

2012-07-11

「永山布政所と豆田町」
日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎

 

今年度の週報の表紙絵は「永山布政所と豆田町」です。

 

「永山布政所」については、その平面図は早くから発見されていましたが、どのような外観であったのかが、長年不明でした。

ところが、「永山布政所」の復元を願う方たちが、この隈森家によって文政年間に作成された絵図が、大分県の書庫のなかに収納されていたのを探し出してくれました。彩色も施されており、当時の布政所や日田の豆田町・隈町などの景観を知る上で貴重な絵図と言えます。

咸宜園の資料館にはこの絵図のレプリカが展示されていますので興味のある方はご覧になって下さい。

 

日田の観光資源として咸宜園や豆田町は大変重要なものであることに議論の余地はありません。しかし、何故、咸宜園や豆田町が栄えたのかと言えば、日田に九州諸藩に睨みをきかせていた江戸幕府の出先機関、永山布政所があったからに他なりません。

 

もし、この資料を基に「永山布政所」が復元できたとしたならば、日田市の大きな観光資源になると思いますが、更に、一歩進めて、要塞も兵力も置かず、江戸から派遣された僅か数名の行政官で九州諸藩と天領17万石を統治した江戸幕府の優れた行政のやり方を学ぶ貴重な資料館にもなろうかと考えます。

掛屋に天領の米の取扱いを民間委託したことや、廣瀬家に宇佐の新田開発を任せたことなどは、今で言うPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)、つまり、民間資本や経営ノウハウの導入のさきがけともいえるのではないでしょうか。こういうことを分かりやすく展示すれば、江戸時代の人々の知恵を学ぶ場にもなるでしょう。

 

また、廣瀬資料館には江戸の瓦版が展示されていますが、江戸の情報が日を経ずして日田に届いたのも当時の日田の情報の速さ、知的レベルの高さを示しています。今で言えば、インターネット並みとも言えます。

 

今年度のスローガンを「一眼を足下に、一眼を海外に」としたのも、たとえ日田が九州の山の中にあっても、そういう日田の遺風を今に活かせないだろうかという願いもあります。

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