2月, 2020年
会長の時間30
日田ロータリークラブ会長 白石章二
過去に起きた最大のパンデミックはスペイン風邪(スペインインフルエンザ)です。
電子顕微鏡のない当時はインフルエンザウイルスはまだ発見されていなくて未知の病気だったようです。
ちなみにウイルスの大きさは一万分の一ミリです。
そのスペイン風邪ですが1918年から1920年までに当時の世界人口18~20憶人のなんと三分の一が感染し2000万から一説には5000万人が死亡したそうです。
当時世界は第一次世界大戦の最中で、各国はその流行を隠していましたが、参戦していなかったスペインでは情報が広まりあたかもスペイン発であるように受け取られたようです。
最初は米国のカンザス州から発生した記録があるようですが本当にそこなのかはよくわかっていなくて、中国から広まったと言う説もあるようです。
その米国が第一次世界大戦に参戦し、ウイルスがヨーロッパに拡散しその後アフリカやアジアそして南米へも広がったようです。
船での感染も起こっており、当時米国の兵員輸送船「リヴァイアサン号」乗員1万1千人で感染が発生し約200百人が死亡したようです。
日本では1918年9月末から10月初頭までに感染が広がり総人口5719万人の内、総患者数2116万8千人なんと37%が感染し25万7千人の方が亡くなったようです。(致死率1.2%)
日本でも矢矧(やはぎ)事件という船での感染事件が発生しています。
呉を母港とする軽巡洋艦「矢矧」が469人の乗員を乗せ1918年11月にシンガポールに寄港した際に一時上陸した乗組員によりインフルエンザウイルスが持ち込まれ閉鎖空間の艦内で爆発的に感染が広まり看護師や軍医も倒れ最終的に306人(65%)が発病し48人(16%)が死亡したそうです。
この様に過去にも船での感染が発生している事を考えると、今度の豪華客船の事ももう少し歴史に学んでいたらと思ってしまいます。
しかもイギリス船籍の船で運営はアメリカの企業だそうです。
あまり日本に文句は言えないと思ってしまいます。
むやみに危機をあおらず正しく怖がって、冷静に対処するしかないようです。
会長の時間29
日田ロータリークラブ会長 白石章二
先週の「永遠のゼロ」の話の続きをしたいと思います。
太平洋戦争当時の戦闘機に求められたのは、格闘性能と速度です。
ですがこれは、相反する性能だそうです。
これに旧日本海軍はもう一つ、航続距離まで要求したそうです。
普通はどれか一つに絞って設計するようです。
これにチャレンジしたのが、三菱重工業の若き設計士の堀越二郎でした。
そして見事にこの三つの要求を備えた飛行機「零戦」が誕生しました。
当時アメリカ軍は劣等なアジア人が、まともな戦闘機など作れるはずがないと思っていましたので、零戦に遭遇したアメリカ空軍は、相当びっくりしたようです。
空中戦をドッグファイトと言いますが、これは犬同士がけんかするときにお互いの尻尾を嚙もうとぐるぐるまわるところからそう呼ばれるようになったようですが、この零戦と戦うとアメリカ軍の飛行機は三回転するまでに、後ろにつかれて撃ち落されたそうです。
これにびっくりしたアメリカ軍は、雷雲と零戦に遭遇した時は、任務を途中で放棄してよいと言う、指令までだしたそうです。
それほど恐れられた零戦ですが、高性能ゆえの弱点もあったようで、それは作るのにかなりの手間と時間がかかることでした。
それゆえ、段々とアメリカ軍の物量作戦に対抗出来なくなったようです。
何事もすべて良しとはいかないようです。
会長の時間28
日田ロータリークラブ会長 白石章二
今売れっ子の作家の百田尚樹さんを、ご存じの方も多いと思いますが、彼は私と同じ年です。
2月23日生まれで私と11日しか違いません。
彼の本で最初に読んだのは、高校生のボクシング部を描いた「BOX」という作品です。
当時私の長男もちょうど高校のボクシング部に入っていたので、とても面白く興味深く読ませてもらいました。
百田さん自身も学生時代にボクシングをやっていたようで、とてもリアリティのある物語でした。
次に読んだのは、映画もヒットした「永遠のゼロ」です。
2巻物で、結構な読み応えがあり、彼の取材力に本当に関心しました。
一部で彼のことを右翼という人もいますが、作品を読むと、とてもそんな風には思えなくて、むしろ無謀な戦争をしてしまった当時の日本政府を美化するようなことは全然なく、零戦を通して、どうしようもない戦いを継続するしか無かった戦闘機乗りの思いが伝わってくる作品でした。
最近読んだのは「日本国記」です。
これも相当に内容の濃い作品で、すらすらと読める類の本ではありません。
特に、近現代史にかなりウエートを置いて書いてあり、賛否両論はあると思いますが、私は自虐的な戦後の日本の近現代史に一石を投じる本だと思っています。
何より彼の日本を思う気持ちが、私にはひしひしと伝わってきますが、左翼の方には多分相当に気に障る存在だと思います。
会長の時間27
日田ロータリークラブ会長 白石章二
とうとう習近平主席も、今回のコロナウイルス肺炎への中国政府の対応の遅さを認めたようです。
今回は中国政府自体も正確な状況の把握が出来ていなかったようで、中国共産党政府の強権的な体制のため、地方の役人が悪い情報をあげるのをためらった結果、対応が後手に回ってしまったようです。
BS放送の世界各国の放送局のニュースを見ても、どこもコロナウイルスのニュースがトップニュースになっています。
特にヨーロッパでは、東洋人を危険視する状況が話題に取り上げられていましたが、私たち日本人に対しても例外ではないと思われます。
本当に迷惑な話です。
今回のように先行きのわからない重大な問題に対して、特に我々日本人は危機意識より、まあ大した事では無いのではないか、というふうに思いがちですが、これを正常化バイアスと云うそうです。
縁起でもないとか、言い当てるとか、なるべくマイナスの事は考えたくないと云うような、私たち日本人に特有の考え方も影響しているようです。
一般市民はそれでもいいかもしれませんがいますが、政府はそういう訳にはいきません。
政府はあらゆる状況を想定して、対策を取らなければいけませんが、それには正確な情報を把握する必要があります。
しかし今の日本にはそういう組織が無いようです。
そういう正確な情報の把握が出来ない状況が、今回の日本政府の対応の遅さに影響しているようです。
今回の状況はある意味、戦争と同じようなバイオテロの状況のような気がします。
まだもう暫くは、こういう状態が続くようですが東京オリンピックがとても心配です。
CIAやMI6のような組織は無理でも、多くの正しい情報を集められる組織が日本にも必要なのではと、素人の私でも考えてしまいます。