外部卓話 弁護士 梅木自敬 氏

2017-06-07

「相続について」
 弁護士 梅木自敬 氏

 本日は2574例会にお呼び頂きありがとうございます。今日は「相続」についてのお話ですが、最近の業界の状況や弁護士とはどういった事をしているかもお話します。平成19年に司法試験に合格しました。この年に司法制度改革が行われ、1990年の後半から国が規制緩和を進めていて、大企業を中心として競争原理を肯定して企業が色々な活動が出来るように国内が動き始めていました。競争原理が働くと紛争も起きる訳で、法曹人口の需要も見込まれるだろうということで、これまでの司法試験の制度を大きく変えて法科大学院卒業後5年以内に3回受験が出来る制度に変わりました。私が法科大学院の2期生になり、その頃はブームでもあり多くの人が受験して入学定員の10倍の人達が受験していました。入学できた40%の人達が司法試験に合格していました。大学院で3年間、法律を一から勉強していくのですが、私は法学部を出て法律の勉強をしていたので2年からの法科大学院入学になりました。合格した年の11月から10ヶ月は福岡地方裁判所に配属になり、2年間司法修習生をしていました。その後、司法研修所に戻り弁護士登録を行いました。弁護士になるには司法試験に合格すればなれるというわけではありません。厳密に言うと、弁護士になるには司法研修所に行ってその中の試験をパスしなければ弁護士資格は得られません。
 私たちの日常生活は、法律に裏づけされています。例えば、家を借りる際も賃貸借契約を結び、使用する者はその対価として賃金を払うことになっています。馴染みのある賃貸・売買はささいなことが紛争にあることは信頼が結ばれていれば滅多にありませんが、(相続)は決して身近なものではありません。殆どの方が人生の一度は経験するもので、ここで動く資産は非常に大きなお金が動きます。皆さんが(相続)に関して余り持っていない状況で、相続に直面すると大きなトラブルに発展するケースがあります。(相続)というと相続税が思い浮かぶと思います。統計では1年間で120万人が亡くなっていますが、その中で相続税が発生する相続は、全体の4%しかありません。残りの96%は、相続税が発生しない相続です。ところが、相続税が発生しないケースでも法的紛争になるケースが非常に多いです。一番問題になるのが、長男が実家等で親の面倒をみていて、兄弟が都市部等に住んでいる場合です。両親は亡くなった途端に、仲の良い兄弟が豹変する姿も見てきました。眼に見えない不満が相続の時に表面化します。(相続)の問題は、これまで仲の良かった家族を根本的に壊してしまう危険性を孕んでいますので、(相続)に関する最低限の知識は持っていた方がいいと思います。相続対策は、(遺言書)を残しておくと法定相続分とは関係なく遺産の配分を決めることが出来ます。(遺言書)の中で「自筆遺言」がありますが、これは家庭裁判所で手続をする必要がありますが、一番いい方法は、「公正証書遺言」というもので、公証役場に行って公証人の先生に認証してもらう(遺言書)が一番いい形です。この「公正証書遺言」を持っておくと、公証役場でも保管するので万が一紛失した場合でも大丈夫です。よって、(遺言)書くなら「公正証書遺言」をお勧めします。

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