会長の時間29
「 半導体バブル到来 」
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
2月22日に、日経平均株価が34年ぶりに、高値を更新しました。
長い間、低迷と混迷を繰り返してきた、いわゆる「失われた30年」でしたが、年明けから株式市場や投資家には、明るさが戻って来ました。日本だけでなく、アメリカ、ヨーロッパの株式市場でも最高値(さいたかね)を更新し、一時かなり落ち込んでいた中国市場も下げ止まりしています。
日経平均株価は、1989年の38,915円をピークに、20年間下がり続け、2009年に、大底7,054円を記録しました。2009年にはリーマンショック、2011年には、東日本大震災がありました。2012年からのアベノミクスで、徐々に回復し、2020年のコロナショックを乗り越え、2月22日に終値39,060円を記録しました。
34年前の時価総額の上位企業には、NTTや多くの銀行がありますが、2024年は、トヨタ自動車、東京エレクトロン、キーエンス、ソニー、信越化学、日立製作所などの製造業が目立っています。もの造り国家日本が復活しているようです。
昨今の株価高騰の理由は、大きく3つあります。一つ目は、脱デフレ、インフレ傾向にあることです。二つ目は、中国経済の悪化で、外国人投資家のマネーが、日本に流入していることです。三つ目は、エヌビディアやAMD、インテルといった半導体企業に勢いがあることです。
生成AI(人工知能)半導体の製造では、欧米や台湾企業に負けていますが、日本には半導体の製造工程での重要な技術を持っている企業がたくさんあり、外国人投資家のマネーを集めています。
また家計においては、一昨年からのインフレで、たんす預金が、NISAやiDeCoを利用して、投資に向かい始めているとのことです。
私も数年前からNISAを始めていますが、最近では投資金額の30%くらい含み益が出て、株価上昇を実感しています。しかし大半の国民の感覚では、株価上昇の実感はないようです。これは、賃金の上昇が物価の上昇に、追いついていないためです。
ロータリーの会員の皆様は、会社経営者が多いですが、今年は今まで以上の賃金アップを検討している方もいると思います。
私もこの機会に、社員の昇給を例年より多めにしたいと思います。余裕があれば、私自身の昇給もできればいいなあと考えています。
会長の時間を終わります。