会長の時間16

2020-11-25

日田ロータリークラブ会長 井上太香美

 


学生時代、憲法のゼミで第23条の討論をしたことがありました。ちょうどそのころ、東京都知事が美濃部亮吉氏で、いやがうえにも学問の自由を討議するうえで、彼の父君である美濃部達吉氏と、達吉氏のそれに対する弾圧が教材に上がってきました。若かりし頃の名残は今もとれず、学問の自由と今回の任命拒否の問題は無関心ではいられません。ちまたでは、「コロナ問題など課題が山積している中で、いつまでも学術会議を持ち出す野党はけしからん。国家予算を受けている以上、学術会議が政府に協力するのは当然じゃないか。」という意見もありますが、私は正反対の考えです。国会が学術会議の問題で空転しているのは事実です。しかし、この問題が進展しないのは、菅首相が説明責任をはぐらかしているからではないでしょうか。学術会議が推薦した6名の学者を会員に任命しなかった理由を明らかにすればいいのにそれに答えない。そこからさまざまな憶測が出てくるわけです。もちろんこの6名が、先の安全保障法制審議に対し、政府に批判的であったからだと答弁すれば、内閣が飛ぶほどの騒ぎになるでしょうがそこをあえて言わず、ここは6名を追認することにより矛を収めるのが妥当な解決策ではないかと思います。今はコロナウイルスと景気対策とに集中しなければならないときでしょう。

 


話を学術会議に戻します。そもそも学術会議が政府の「イエスマン」であるならば、存在意義は無いでしょう。歴史をたどれば古今東西、権力者によってその意に沿わない学者、例えばソクラテス、ガリレオ、吉田松陰等は迫害を受けてきました。私たちが今日近くで目にし、耳にすることができるところによれば、中国の人権派といわれる学者や法律家が次々に拘束されています。香港や、いわゆる独裁者といわれる人が統治する国家でも、政権の意に反する学者が消されています。北朝鮮では政権を批判することすら厳禁です。「思想、信条、学問の自由は」民主国家の根幹なのです。ゆえに我が国の憲法では、その第23条において学問の自由を明記し保障しています。時として政府の政策に異を唱えてこそ、存在意義があるというものでしょう。とりわけ現在の日本における政情においては、巨大与党が1党ですべてを決済できるような場合、ブレーキをかける勢力が必要です。日本学術会議の問題は、週刊誌的視野で論ずることなく深く議論しなければなりません。

 


それにしても菅総理、もう少し丁寧に答弁してください。加えていうなれば、新聞記者諸君、東京新聞の望月記者の質問を見習ってしっかり追及してください~~。

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