会長の時間10 平成30年9月12日(水)

2018-09-12

日田ロータリークラブ 会長 膳所和彦

膳所姓について

日本には現在漢字で約11万種類、そして読み方にすると約17万種類の姓(苗字)があると言われています。これはアメリカに次いで世界では2番目に多い数になります。日本で多い姓としては、「佐藤」、「鈴木」、「高橋」などがあります。一方珍しい姓としては、「雲母(きらら)」、「回り道(まわりみち)」、「凸守(でこもり)」、そして有名人にも榮倉奈々さんの「榮倉(えいくら)」、綾瀬はるかさんの本名でもある「蓼丸(たでまる)」などがあり、これらの姓は日本に1~5世帯しかないそうです。さて、「膳所」も比較的珍しい姓ですが、現在日本に約19世帯で110人程度おり、全国で30,148番目に多い姓です。福岡県に約30人、大分県に約20人、兵庫県に約20人、その他三重県、神奈川県、埼玉県、大阪府に各々約10人分布しています。大分県では特に宇佐市に多くの膳所姓の人が住んでおり、これには理由があります。その理由は「膳所」のルーツを辿ると明らかになります。

現在滋賀県大津市に膳所と言う地名があるのは御存じだと思います。今年の春の選抜高校野球において21世紀推薦枠で滋賀県立膳所高校が出場しました。そして膳所にはJR膳所駅、膳所神社、膳所城跡公園などがあります。その歴史を振り返ってみると、1,400年以上前に天智天皇が都を飛鳥から大津に遷した時、この地を「御厨所(みくりどころ)」つまり料理をする所と定めたようです。その後「天皇のめしあがりもの」と言う意味のある「陪膳(おもの)」の所と言われるようになり、それが時を経て「膳のところ」つまり「膳所(ぜぜ)」となりました。膳所を姓として名乗るようになったのもこの頃からであったとされています。そしてここからは父膳所美光の著書からの引用です。膳所家は藤原氏の一族として皇室で重要な職務を果たしていたようですが、935年の平将門の乱や939年の藤原純友の乱が起こる前に近江より西へ下り、宗像を経てその後現在の宇佐市に上陸したと推論しています。父の計算によると、膳所家の九州上陸が925年となっています。そして宇佐上陸地点には小さな高塚があり、そこではこれまで上陸記念850年祭や、1,000年祭が行われていたことが「膳所文書」と言う古文書に記載されていました。私も父が中心となって開催した1,050年祭の時にその高塚を訪れたことがあります。現在も宇佐市に膳所姓が多いのは膳所家九州上陸記念の場所が宇佐であったからです。また父美光がまとめ上げた著書には、さらに詳しく膳所文書のことや膳所家の歴史のことが書いてありますが、それらの紹介は今回省かせていただきます。

4年前に私と家内は膳所姓を名乗ることとなりました。そして私の次女夫婦とその2人の子供たちも2年前に膳所となり、膳所姓の人間が合計6人も増えたことになります。膳所と言う氏姓はもはや希少ではないかもしれません。

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