会長の時間26 2019年1月30日(水)

2019-01-30

インフルエンザについてPart2

日田ロータリークラブ 会長 膳所和彦

インフルエンザワクチンは例年10月頃から1月頃までに接種するよう勧められています。前回述べましましたようにインフルエンザウイルスはその抗原性をどんどん変化させてゆきます。したがって毎年使用されるワクチン株もそのつど変更されます。その選定は世界保健機構(WHO)が推奨する株の中から国立感染症研究所が行い、厚労省が発表します。今期はA型2株とB型2株の4種混合ワクチンとなっています。ワクチン接種はどの医療機関でも実施できますが、日田市では65才以上の高齢者については接種料金の一部が市から補助されますので、その制度の登録医療機関での接種となります。ちなみに今期65才以上の型のワクチン接種自己負担金は均一1,450円ですが、この金額も毎年多少変動があります。また最近では65才未満の市民でも国民健康保険被保険者については、日田市から1,000円の補助金があり、さらに13才未満の小児についても、1回接種に対し1,000円の補助金があります。但し、65才以上でない一般の方そして小児の方のワクチン接種料金は各医療機関によって異なりますので、ご注意下さい。ワクチン接種回数は13歳以上であれば原則1回、13才未満であれば2回となります。現在インフルエンザに罹患しているかどうかの診断確定検査は簡単にできます。一般的には鼻腔の奥に綿棒を入れ、鼻汁を採取して検査します。結果はすぐに判明します。治療も特効薬がありますので、診断が確定したら、すぐに薬を服用してもらいます。インフルエンザ治療薬としては、タミフル、リレンザ、イナビルがあり、最近では1回の内服で有効とされているゾフルーザも発売されました。さらに点滴静注薬のラピアクタもあります。

とにかく毎年毎年インフルエンザと人類の戦いは続いています。日田市医師会ではその流行を最小限にするため様々な試みを行っています。毎週の患者数の報告は数年前から行っています。マスコミなどで発表されるインフルエンザ患者数は、その地域の中の数か所の医療機関いわゆる「定点」の患者数から推定されます。日田市も2つの医療機関が定点とし登録されています。しかしこのデーターはあまりにもアバウトです。一方日田市医師会では全医療機関より毎週インフルエンザと診断した患者数を届けていただき、その結果を各々にフィードバックするだけでなく、医師会ホームページにも掲載しています。これにより一般市民の皆様も日田市のインフルエンザ感染動向がリアルタイムで分かるのです。さらに週の患者総数が100名を超えた場合は、全医療機関に感染拡大予防対策、つまり面会制限、手洗いやマスク着用の徹底、従業員への積極的な予防薬剤投与などを勧告しています。さらに年に一度医療機関、介護施設、教育機関、一般市民を対象にインフルエンザ研修会を実施しています。また長野医師会副会長を中心にこれまでのデーターを解析し、この地域におけるインフルエンザ感染対策を考案する取り組みを行っています。感染予防そして流行拡大対策がいかに重要であるかを日田市民の皆さんに理解していただき、地域ぐるみでのインフルエンザとの戦いに是非参加していただきたいと思っております。

最後に、まったく新しい型のインフルエンザウイルスの世界的流行いわゆるパンデミック状態となった時には、水害、地震、台風などの時と同じように災害モードとなります。平成21-22年にかけてメキシコを発生源とするブタ新型インフルエンザが世界中で大流行し、多くの死亡者が出ました。この時の感染拡大は4月から8月にかけて起こり、大分県での第1例目の発症者が日田市天瀬町の方だったため、日田市も若干あたふたした状態となりました。幸いその後感染終息宣言が出され、この時の新型ウイルスは現在季節性インフルエンザウイルスとして定義されており、特別扱いすることはありません。しかしながら、もし髙病原性インフルエンザウイルスによる感染症が大流行すると、映画でもあるように大パニック状態となるでしょう。中国などでは現在も髙病原性鳥インフルエンザの鳥から人への感染が認められています。幸い日本では今のところ証明されていませんが、今後間違いなく同様な事態が訪れると考えられます。私達はそのような状況に備え、万全の対策を講じておく必要があるのです。

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