会長の時間36 2019年4月10日(水)

2019-04-10

終活について

日田ロータリークラブ会長 膳所和彦

終活とはもちろん就職活動のことではなく、高齢となり人生の終末期を迎えるにあたり、必ず訪れる自らの死と向き合い、自分らしく、ポジティブに生きるための活動を言います。具体的な取り組みとしては以下の5点が挙げられます。➀エンディングノートを書く。エンディングノートは自分の終末期や死後に備えて、身近な人に伝えておきたいことを書き留めるノートです。家族や友人へのメッセージ、延命措置に対する考え方、資産や相続のことなど何でも良いのですが、遺言書と違い法的効力はありません。②葬儀の準備。葬儀社や葬儀プランをある程度決めておきます。また遺影の準備をしておくことも必要です。そして最も重要なのは信頼できる葬儀社を選ぶことです。③お墓の準備としては、まず墓地を選ぶことから始まります。もちろんすでに先祖代々からの墓地とお墓がある方は、その必要はないかもしれません。墓石も自分で選んでおくことができますが、完成までには2-3か月かかりますので、早めに検討しておかなければなりません。④終活で最も重要なのが遺言書の作成です。遺言書は法的効力がありますので、しっかりと考えそして検討して作成しなければなりません。相続に関する事項、遺産処分に関する事項、生命保険受取人の指定などが遺言書の主な内容になります。その文書の作成には指定された形式があり、それを守らないと無効となります。相続トラブルなどを避けるためには規定どおりの、そして十分に吟味された遺言書を書いておかなければなりません。⑤生前整理とは死後に遺品整理の手間を省くために、片付けをすることです。

先日新聞に若手論客として有名な古市憲寿氏と落合陽一氏の対談での発言が大きな波紋を呼んでいると言う記事が載っていました。彼らは、「医療財政がひっ迫する中、最後の1カ月の終末期医療はお金がかかり無駄なので、延命治療は必要がなく、その行為を保険適用外にすれば問題が解決するのでは」と発言したのです。この「お金がかかる終末期医療」の発想自体が完全にズレているのです。統計によると亡くなる1カ月前の医療費は全体の3%程度と言われており、この中には突然死(急性心筋梗塞、脳出血、事故死などで元気な人が突然亡くなってしまうケース)の人も含まれるので、いわゆる終末期医療としてかかる実際の費用はもっと少ないとされています。医療の現場、看取りの現場をまったく理解していない彼らの安易な発言には腹立たしい限りです。最近医療界では終末期医療における「アドバンス・ケア・プランニング(ACP) 」と言う概念を導入しています。ACPとは、超高齢化社会において患者さん自身の意志を尊重した形で医療や介護を提供し、患者さんが人生の締めくくりの時期に尊厳ある生き方をするために、かかりつけ医、家族、ケアマネージャー、そしてその他多職種の人達が何度も話し合いを行い、協同して患者さんを支えてゆくプロセスのことです。しかしながら、人生の最期に至る軌跡は多様です。急性心筋梗塞や脳出血また事故などにより突然亡くなるパターン。癌を患い、その時点から急速に機能が落ち亡くなるパターン。心不全や呼吸不全などのように悪化と軽快を繰り返しながら、徐々に亡くなるパターン。そしてフレイルや認知症などですでに機能が落ち、寝たきり状態のまま最期を迎えるパターンと主にこの4つに分類されます。こられを十分に見極めることがまず重要です。そしてさらに患者さんの人生観や価値観も様々です。各々の個性にあった援助の方法を考案しなければなりません。要するに人生の最期は人それぞれで違うと言うことです。皆さんも、自分のこれまでの人生を振り返り、また家族のことを思い、今後必ず訪れる人生のエンディングをどう生きるか考えておくことをお勧めします。

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