会長の時間8

2020-09-23

日田ロータリークラブ会長 井上太香美 

 9月末日をもって人生において初めての定年を経験します。平成15年10月1日に、日田家庭裁判所及び大分地方裁判所日田支部の調停委員を拝命してから17年の任期が終了します。私は家事と民事の事件を担当してきましたが、いくつかの忘れられない事件があります。


ああすればよかった。こうすればまとめられたのではなかったかと反省する調停もあれば、よくあの事件をまとめたものだと自負する調停もありました。

私が調停委員になりたての頃は特定調停事件がたくさんありました。平易な言い方でいえばサラ金事件です。あの当時のテレビのCMは24時間サラ金会社のものでした。いかにも簡単に融資が受けられるような内容でしたし、簡単に借りることができました。ただ借りたお金は返済しなければならないこと、金利が発生すること、返済が滞れば取り立てが厳しくなるということが忘れられていたようです。悲しい事件がたくさん起きました。そこで違法な金利や取り立てから、借主を守るために法律ができたのです。金利の計算方法も知らない者が計算式を学び、プロの業者と渡り合うのですから大変でした。借金の返済方法や生活再建の指導をしたこともあります。この時に感じたことは多重債務者即ち借金を借金で返済しなければならなくなった人の金に対する認識の甘さです。もちろんやむに已まれぬ理由から多重債務者になった方もいましたが、遊行費につぎ込んでそれになる人の割合が多くみられました。


家事事件では離婚調停に多くかかわりました。本人たちが離婚するのは構いませんが、子供たちがそのトラブルに巻き込まれて行く過程は悲しいものがありました。相続のトラブルもたくさん見ました。その中から私が学んだことは、

1、収入に見合った生活をすること(身の丈発言は問題になりましたが)

2、夫婦仲良く、互いに誠実に接すること(夫婦は他人であることを忘れないで)

3、余分な財産は残さないこと(喧嘩の種になる)

良い経験をさせてもらいました。

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