会長の時間11

2021-09-15

日田ロータリークラブ会長  河津 龍治

 

業者選定

 

前も話したとおり、工事を受注するためには1級施工管理者を付けなければなりません。その技術者が、施工管理、品質管理、工程管理、安全管理、原価管理等を行います。だから良い物が出来るか、儲かるかは技術者次第です。当社では1億円以下は、技術者1~2人で、1億円以上は3人体制で工事を管理します。技術者が多いからといって、良い物が出来るわけではありません。やはり優秀な技術者と堅実な下請け業者が必要になります。

 

我々業者が工事を受注した場合、ほとんど下請けに出します。土木工事の場合はほとんど1社に出しますが。建築工事の場合は10社から20社程度になります。今では下請け業者と言わず、協力業者という言葉を使っていますが、ここでは敢えて下請けという言葉を使います。土木工事の場合は公共工事がほとんどですから、どこを選んでも良いのですが、これだけ災害が多いと、下請け業者の方が強くなり、我々としましても、何とか下請けをして貰えないでしょうかと、頭を下げ続けているのが、現状です。

 

建築工事の場合は民間工事と公共工事があります。公共工事の場合は、どこを選んでもかまいませんが、民間工事の場合はそうはいきません。発注者の意向が一番です。発注者がこの業者を使ってくれと言われれば、使わざるを得ません。

 

2番目は技術力です。いくら安いからと言って技術力がなければ、使いません。当クラブで表彰した、原田左研の原田さん、地元の建設業者では誰も使う人がいません、まず、工事費が普通の請負金の1.5倍から2倍掛かります、また工期も1.5倍から2倍掛かります。だから誰も使いたがらないわけです。しかし草野家の保存修理工事では、彼しか出来ません、6層に塗った壁を1枚1枚ずつはがし、それぞれに保存し、また1枚1枚ずつ塗っていくわけです。こんな技は原田左研にしか出来ませんし、貴重な職人です。

 

3番目は信頼関係です。正月の夜、雪がやまず、210号線を全面通行止めにするという指示が、国土交通省から出されたとき、ガードマンを20人以上すぐ配置できるかは、日頃の信頼関係にあります。無理なことをお願いできると言うことは、日頃のお付き合いが大事だと思います。昔のようの数社から見積もりを取り、一番安い所に決めるという、やり方をしていては、どこの業者も取り合ってくれません。

 

前も述べたように、今年の8月、日本製鉄がトヨタに対して値上げを発表しました。あのトヨタに対してですよ、今は売る方が強いのです。それと同じように、元請よりも下請けの方が強いのです。これだけ災害が増えたら、下請け業者を探すのは、大変なことです。今は職人が不足しており、施工業者も少なく、今一番大事なことは、下請け業者としっかり、信頼関係を築いていくことが大事なことだと思っています。

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