会長の時間23

2024-01-17

「台湾有事は、日本有事か?」 

日田ロータリークラブ会長 北郷太門

 

1月13日に、世界中の注目を集める中、台湾総統選挙が行われました。結果は、現在の蔡英文(ツァイ インウエン)総統と同じ民進党の頼清徳(ライ チンドゥ)氏が当選しました。野党、国民党が、一本化出来なかったためでもありますが、今後の中台関係も、現在の緊張状態が続くと思います。副総統のシャオさんも、中国から、独立派とみられていて「毒毒コンビ」と言われています。 

私は、昨年12月15日に、日田市が主催して行われた「台湾情勢と日台交流」と云う講演会に出席しました。わがクラブも、20年近く台湾嘉儀玉山クラブのメンバーと食事をしたり、お酒を飲んだり、ゴルフをしたりと、楽しく交流していますので、皆さんにも関心を持っていただきたくて、その講演会の内容について、お話しします。 

講演者は、藤重太(ふじ じゅうた)さんと云う方で、時々テレビに出て、台湾問題の解説をされています。この方は、若い頃受験に失敗して、台湾で中国語の語学留学でもしようか、との軽いきっかけで行ったことで、台湾と縁ができて、台湾の魅力にハマったとのことでした。その後、国立台湾大学を卒業されて、日本と台湾で企業経営をしながら、日台交流のアドバイザーもされています。マスコミからは、とても台湾に詳しい日本人と言われています。 

台湾では、お年寄りから子や孫に、日本統治時代の教育、インフラ整備、特に衛生管理が素晴らしく、かなりの感染症から台湾人の命を守ったことで、日本人は素晴らしかったと伝えられていることが、今の親日の基礎があるとのことです。ずいぶん昔は、日本人だと分かると、家に上がるよう言われ、食事を振る舞ってもらったとのことでした。そのことは、私たちも嘉儀に行った時は、いつも厚いもてなしを受けていますので、よく理解できるところです。 

最近の中国との向き合い方、中台関係について、よく日本人から、「中国からの圧力が大変でしょう?武力侵攻が近いのでは?いわゆる台湾有事が迫っているのでは?備えは出来ていますか?」と聞かれるとのことです。 

これに対し、多くの台湾人は、「台湾の歴史は、いつも台湾有事だったので、なるようにしかならない。」という感覚のようです。「備えもそれなりに、しっかり出来ているから大丈夫です。」と意外に落ち着いているとのことです。 

むしろ「日本人が有事を煽っているのでは?有事を期待しているのでは?」と受け止めているようです。「日本人の心配してくれる気持ちは、有り難いが我々は、大丈夫です。」とのことでした。私たち日本人が考える「台湾有事は日本有事」は、一部のマスコミや政治家からの発信で、少し先走りの感があるのでは?と感じた次第です。 

 

来週も、この講演の続きで、台湾情勢、経済関係のお話をしたいと思います。 

会長の時間を終わります。 

 

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