4月, 2019年
会長の時間37 2019年4月24日(水)
ロックおたく
日田ロータリークラブ会長 膳所和彦
御存じかと思いますが、私は高校生時代そして大学生時代とバンドを組み、主にロックを演奏していました。日田に来てからも偶然ロック好きの人達と知り合うことができ、何度か不定期にバンド演奏をしてきました。その原点になったのは勿論ビートルズです。ビートルズはイギリスのリバプールで誕生したバンドで、1960年にデビューしています。ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージハリソン、リンゴ・スターの4人の若者はその後世界を席巻する大大スターとなりました。ビートルズの曲はとにかく衝撃的でした。素敵なメロディー、印象深い歌詞、素晴らしいハーモニー、そしてシンプルな演奏と、すべてが当時の若者の心を魅了しました。中学生時代は親を強引に説得し買っていただいたヤマハのフォークギターを爪弾き、自己流でビートルズの曲を演奏しました。以前もお話しましたように当時は楽譜もなく、レコードを買うお金もないので、ラジオを聴きながら必死になってギターコードや歌詞をコピーしておりました。
その後幸運にもイギリスに留学する機会を得ました。勿論すぐにビートルズゆかりの場所を訪れました。ロンドン市内にあるアビーロード。ここはビートルズがレコード作成を行っていた収録スタジオがあり、その通りの横断歩道をメンバーが歩いている姿は、「アビーロード」とタイトルされたレコードアルバムのジャケットとしてあまりにも有名です。私もすぐにその横断歩道を渡り、感激に浸ったことを今でも鮮明に覚えています。身体の小さな震えを抑えられませんでした。そこはビートルズファンにとってまさに聖地です。そして勿論ビートルズの故郷であるリバプールにも足を延ばしました。彼らがライブ演奏をしていたキャバンクラブ、曲に出てくるペニー・レーン、ストロベリー・フィールド、そしてビートルズミュージアムと訪ねまわりました。残念ながらその頃はインターネットやガイドブックがなく情報も不十分ため、メンバーの生家などに立ち寄ることはかないませんでした。ところで、今年の国際ロータリー世界大会はドイツのハンブルグで開催されます。実はハンブルグはビートルズがバンドとして正式に活動を開始した場所です。約2年間ビートルズはこの地でライブ演奏を行っていましたが、その活動は失敗に終わっています。つまりビートルズにとって下積み時代でした。しかしその足跡は多く残されています。6月にはハンブルグに行き、これらの場所を訪ねてみたいとひそかに企んでいます。
今回はビートルズの話だけでしたが、私のロック愛はこれだけではありません。最近日田でロック音楽の大好きなオタク達が集まり、CDやDVDを鑑賞しながら、ロックについて熱く語っています。その中には日田ロータリークラブのメンバーである井上明夫会友、小ヶ内会友、松本会友、原道子会友そして梶原上智元会友なども含まれています。そこでのメンバーのロックに対する情熱は半端ではありません。興味がある方は是非参加してみて下さい。但し、かなりのオタク達の集まりです。
会長の時間37 2019年4月17日(水)
今年のゴールデンウイーク
日田ロータリークラブ会長 膳所和彦
「2019年のゴールデンウイークは10連休になる。」昨年10月に政府が表明した方針です。その理由は5月1日が新天皇即位の日と定められ、この日を2019年に限り祝日となるという決議に起因しています。元々4月29日の昭和の日、5月3日の憲法記念日、4日のみどりの日、5日のこどもの日は祝日となっており、これらにその年の土・日曜日の関係によって、3連休や4連休となっていました。5月1日が祝日となった場合、「祝日法」の規定により祝日にはさまれた日も休日となるため、4月30日、5月2日も国民休日となってしまうのです。さらに5月5日が日曜日ですので、その翌日の6日も振替休日となります。つまり4月27日(土)から5月6日(月)までは、公的には10連休となるのです。さて、これまで私達が経験したことのないこの長期の連休に対して国民はどう思っているのでしょうか? 公務員や一般企業はもちろん10連休となり、市役所、保健所、郵便局、銀行などは原則としてこの期間に通常業務は行いません。したがって長期連休により国民生活へ影響が出るのは明らかです。あるアンケートでは今回の長期連休に賛成と答えた人が約50%であり、残りの50%は反対またはどちらとも言えないとの回答でした。連休だからと言って休めない職種もたくさんあります。観光業、サービス業、交通機関などは休日に関係なく業務が行われます。では病院はどうなるのでしょう。
昨年12月に日本医師会が実施した各地域医師会へのアンケート調査では、今年のゴールデンウイークには通常の在宅当番医制度や休日夜間急患センターのみで対応すると答えた医師会が60%もありました。これでは10連休中の地域医療体制は著しく不備となってしまいます。これに不安を感じた厚生労働省は「今回の連休は過去最長であり、地域に必要な医療機能が提供されるよう万全を期す必要がある」と注意勧告しています。そこで日田市医師会では今年のゴールデンウイークにおける医療体制を整備するため、対策委員会を立ち上げ検討を行って来ました。その結果、多くの医療機関がこの10連休中に通常診療を行う日を数日設けることに同意していただきました。そしてその情報を一覧表とし、日田市市報、各新聞社、医師会ホームページなどに公示することといたしました。例えば膳所医院は4月27日(土)午前中、5月1日(水)、2日(木)には通常どおりの診療を行います。救急告示病院なども数日は通常どおりの診療だけでなく、検査や手術も行うこととなっています。詳細につきましては、是非公表されます一覧表をご覧下さい。また診療時間や診療内容などについてご質問がある場合は、直接各医療機関へお問い合わせいただきたいと思います。
日本人は休むことが得意ではありません。これだけ長期の連休を経験したことがないのです。さて、皆さんは今年のゴールデンウイークをどのように過ごされるのでしょうか?
5月の例会
・5月 1日(水)休会
・5月 8日(水)午後0時30分 日田市のマリエールオークパイン日田
外部卓話 一般社団法人 になう代表 岡野 涼子様
・5月15日(土)午後0時30分 職場例会
日田医師会立 日田検診センター
・5月22日(水)午後0時30分 日田市のマリエールオークパイン日田
会員卓話 RYLA活動報告 (石松雅彰 地区ライラ委員)
・5月29日(水)午後0時30分 日田市のマリエールオークパイン日田
会員卓話 インターアクト活動報告 (永田耕一 インターアクト委員長)
会長の時間36 2019年4月10日(水)
終活について
日田ロータリークラブ会長 膳所和彦
終活とはもちろん就職活動のことではなく、高齢となり人生の終末期を迎えるにあたり、必ず訪れる自らの死と向き合い、自分らしく、ポジティブに生きるための活動を言います。具体的な取り組みとしては以下の5点が挙げられます。➀エンディングノートを書く。エンディングノートは自分の終末期や死後に備えて、身近な人に伝えておきたいことを書き留めるノートです。家族や友人へのメッセージ、延命措置に対する考え方、資産や相続のことなど何でも良いのですが、遺言書と違い法的効力はありません。②葬儀の準備。葬儀社や葬儀プランをある程度決めておきます。また遺影の準備をしておくことも必要です。そして最も重要なのは信頼できる葬儀社を選ぶことです。③お墓の準備としては、まず墓地を選ぶことから始まります。もちろんすでに先祖代々からの墓地とお墓がある方は、その必要はないかもしれません。墓石も自分で選んでおくことができますが、完成までには2-3か月かかりますので、早めに検討しておかなければなりません。④終活で最も重要なのが遺言書の作成です。遺言書は法的効力がありますので、しっかりと考えそして検討して作成しなければなりません。相続に関する事項、遺産処分に関する事項、生命保険受取人の指定などが遺言書の主な内容になります。その文書の作成には指定された形式があり、それを守らないと無効となります。相続トラブルなどを避けるためには規定どおりの、そして十分に吟味された遺言書を書いておかなければなりません。⑤生前整理とは死後に遺品整理の手間を省くために、片付けをすることです。
先日新聞に若手論客として有名な古市憲寿氏と落合陽一氏の対談での発言が大きな波紋を呼んでいると言う記事が載っていました。彼らは、「医療財政がひっ迫する中、最後の1カ月の終末期医療はお金がかかり無駄なので、延命治療は必要がなく、その行為を保険適用外にすれば問題が解決するのでは」と発言したのです。この「お金がかかる終末期医療」の発想自体が完全にズレているのです。統計によると亡くなる1カ月前の医療費は全体の3%程度と言われており、この中には突然死(急性心筋梗塞、脳出血、事故死などで元気な人が突然亡くなってしまうケース)の人も含まれるので、いわゆる終末期医療としてかかる実際の費用はもっと少ないとされています。医療の現場、看取りの現場をまったく理解していない彼らの安易な発言には腹立たしい限りです。最近医療界では終末期医療における「アドバンス・ケア・プランニング(ACP) 」と言う概念を導入しています。ACPとは、超高齢化社会において患者さん自身の意志を尊重した形で医療や介護を提供し、患者さんが人生の締めくくりの時期に尊厳ある生き方をするために、かかりつけ医、家族、ケアマネージャー、そしてその他多職種の人達が何度も話し合いを行い、協同して患者さんを支えてゆくプロセスのことです。しかしながら、人生の最期に至る軌跡は多様です。急性心筋梗塞や脳出血また事故などにより突然亡くなるパターン。癌を患い、その時点から急速に機能が落ち亡くなるパターン。心不全や呼吸不全などのように悪化と軽快を繰り返しながら、徐々に亡くなるパターン。そしてフレイルや認知症などですでに機能が落ち、寝たきり状態のまま最期を迎えるパターンと主にこの4つに分類されます。こられを十分に見極めることがまず重要です。そしてさらに患者さんの人生観や価値観も様々です。各々の個性にあった援助の方法を考案しなければなりません。要するに人生の最期は人それぞれで違うと言うことです。皆さんも、自分のこれまでの人生を振り返り、また家族のことを思い、今後必ず訪れる人生のエンディングをどう生きるか考えておくことをお勧めします。
会長の時間35 2019年4月3日(水)
英国かぶれ Part 2
日田ロータリークラブ会長 膳所和彦
前回私が英国に憧れる原因となった3人のうち2人(1組と1人)について述べましたが、今回は3人目についてお話しします。3人目は前者2人とは違い私が個人的に関わった人物です。私が大学院生時代に心臓の基礎研究をしていたのですが、その研究内容の世界的権威が英国ロンドン大学セント・トマス病院のハース教授でした。当時日本からの多くの医学研究者はアメリカやドイツに留学していました。たまたま私の研究テーマの権威が、ビートルズの母国また夏目漱石の留学先である英国におりましたので、「これは何という幸運だ!」と勝手に解釈し、ハース教授の研究室に留学申請を行いました。幸運が続き、その研究室に留学できることになったのです。さらに研究室のあるセント・トマス病院はロンドンの町の中心、ビッグベンのある国会議事堂の向い側、つまりテムズ川を挟んで対岸にある大病院でした。英国生活をエンジョイするには最高のセッティングだったのです。
さて、私の英国好きの理由は他にもありそうです。それは日本と英国が非常に良く似ていることです。まず①島国であること。これにより日本も英国も他国から干渉され難く、品格ある社会が形成されていると思われます。②長年にわたり一つの王室の王または天皇がいること。現在の英国王朝は11世紀に始まっており、日本の天皇家に至っては、紀元前6世紀の神武天皇時代が起源とされています。世界の国々の中でこれだけ長期に単一の王朝が続いているのは日本と英国だけです。③規律や静寂を重んじている。英国の騎士道と日本の武士道には相通じるものがあると思います。私達日本人は決して人前では大声で話すことはありません。英国人も同じです。私は留学時代ロンドン郊外に住んでいましたので、通勤に地下鉄を利用していました。その朝の通勤電車の中では誰一人声を出すことなく、物音一つ立てないのです。少しでも音を発すると誰かが咳払いをして、無言で注意されます。④自動車は右ハンドルで左側通行である。このことは何でもないようなことかもしれませんが、現地に住むことになると自動車の運転の際、ストレスを感じることがありません。また英国では日本より交通マナーが良く、クラクションを鳴らすことはなく、道も親切に譲ってくれます。