1月, 2024年
会長の時間25
「日台交流、企業誘致」
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
年が明けて、この会長の時間で、台湾関連の話を2回いたしました。台湾の話が多いのは橋本会友が会長の時以来で、少し偏り過ぎているかなと思いますが、今回もご清聴よろしくお願いします。
TSMCが熊本工場新設を表明後、日本の色々な自治体や企業からの台湾へのアプローチが盛んになっているようです。
12月15日にアオーゼで行われた「台湾情勢と日台交流」という講演を聴きましたが、講演者の藤さんも、あちこちで、台湾の自治体や企業の紹介を頼まれるとのことです。しかし台湾は、九州くらいの小さな国で、自治体は日本の10分の1くらいしかなく、自治体同士の交流や企業の提携は、いわば早い者勝ちかもしれないですよ、とのことでした。
台湾でビジネスを成功させるのに、一番大事なことは、キーマンとなる人物を捕まえることだそうです。これが出来れば、後はとんとん拍子に進みますとのことでした。
ここで、いきなり「日田ロータリークラブと嘉儀玉山ロータリークラブとの交流」と云う文字がスライドに出て、びっくりしました。どこで調べたのかは分かりませんが、両クラブは長年、素晴らしい民間交流が続いているとお褒めの言葉があり、嬉しかったです。
講演会の後、椋野市長から、「今度、いつ台湾に行きますか?一緒に行きたいです。」との話がありました。
年が明けて、1月12日に日田商工会議所主催で新年互礼会がありました。冒頭、椋野日田市長のご挨拶の中で、並々ならぬ企業誘致への言及があり、意気込みを感じました。
その後、市役所の秘書室から、我々の嘉儀訪問の日程の問い合わせがありましたので、「4月24日から台湾に行く予定です。」と伝えました。その後気にはなりますが、あれから何も言ってきません。
もしも一緒に行くことになれば、嘉儀玉山クラブのメンバーと調整をして、嘉儀の市役所や商工会議所みたいなところを案内できれば良いなと思っています。いつものように、美味しものを食べたり、お酒を飲み過ぎて酔いつぶれたり、観光をして帰ると云うのもいいですが、今回は、少し緊張感がある旅行になるかもしれません。
2月の半ば頃に、最終的な椋野市長サイドの返事をもらってから、対応を決めたいと思います。
長年の日田ロータリークラブと嘉儀玉山ロータリークラブとの交流が、日田市の発展に役に立てれば良いなと思います。
会長の時間を終わります。
会長の時間24
「 台湾経済、半導体、TSMC 」
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
先週の会長の時間では、「台湾有事は、日本有事か?」と云うテーマで、お話しました。
今日の卓話は、台湾の企業TSMCや半導体について、お話しします。
2022年日本開発銀行の資料ですが、台湾のGDPはドル換算で、7626億ドル、一人当たりGDP32,888ドル、経済成長率2.45%。です。日本はGDP4兆2600億ドル、一人当たりGDP33,815ドル、経済成長率2023年1.7%。参考までに、韓国の一人当たりGDPは、32,255ドルで、日本台湾韓国は、近年一人当たりGDPは、ほとんど同じになっています。
昨今の台湾経済の中心は、ご存じの通り、半導体の製造です。半導体って、私もよく知らなかったので、調べましたところ、簡単に言えば、電気を通す通さないを、瞬時に切り替える素材のこと。この性質を発見し、技術利用したことで、スマートフォン、エアコンなどの家電や自動車など、私たちの身の周りのすべてのものに使われるようになっています。戦後の日本を支えたダイオード、トランジスタ、ICの発達したものが、今では半導体と言われるものでしょうか。最近では、生成AIと言われる人工知能にも不可欠なものです。
この半導体の受託製造を、TSMCが世界シェアの56%、UMCやPSMC等も8%以上あり、台湾勢で65%を占め、台湾の輸出総額の4割を占める基幹産業になっています。国別では、韓国のサムソン電子は11%、その他中国、アメリカ、イスラエルとなっていますが、台湾は65%なので、圧倒的です。
この数年、この半導体不足が原因で、車や様々な製品の製造にブレーキがかかり、あちこちに支障が生じていました。原因は、コロナ禍での生活様式の変化で、リモートワーク、ゲーム、ショッピングなどの急速なオンラインの普及がありました。もう一つは、中国とアメリカの覇権争いです。「半導体を制する者は、世界を制する」と云う言葉を聞いたことがあります。半導体は、アメリカの経済安全保障にも関わると云うことで、中国の半導体製造能力を阻止するため、数年前から輸出規制をかけていることも半導体不足の原因です。。
補助金を出して、TSMCやサムソンなどに移転を促しました。また中国による台湾への地政学的リスクもあるため、TSMCは日本だけでなく、米国アリゾナ州やドイツのドレスデンに工場進出を表明しています。このTSMCが熊本県菊陽町に工場を建設中で、いよいよ2月24日に開所式、10月から操業との報道がありました。菊陽町とその周辺は、土地が足りないとか、山林が3倍の値段になったとか、今まで軽トラに乗ってたおじさんが、いい車に替えたとか、農家の息子がBMWを買ったとか、景気のいい話やバブル経済に湧いていることは、皆さんも聞いていると思います。
私もこの半導体産業に注目して、頭の体操程度に株や投資信託を買っていますが、最近は期待以上のパフォーマンスが出ています。本日のゲスト卓話は、野村証券ご出身の方なので、資産運用とか株式投資のいい情報が聞けるかなと期待しています。
次回は、日台交流、台湾企業の誘致について、話したいと思います。
会長の時間を終わります。
2月の例会
・2月7日(水)午後12時30分 日田市のマリエール オークパイン日田
委員会卓話 出前セミナー
国際奉仕委員会 小野委員長(臼杵RC)
・2月14日(水)午後12時30分 日田市のマリエール オークパイン日田
外部卓話 日田玖珠広域消防組合 消防長 岩里安徳氏
・2月21日(水)午後12時30分 職場例会
ベストリビング(株)様 (ウッドコンビナート内)
・2月28日(水)午後12時30分 日田市のマリエール オークパイン日田
外部卓話 日田警察署長 桝谷康治氏
会長の時間23
「台湾有事は、日本有事か?」
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
1月13日に、世界中の注目を集める中、台湾総統選挙が行われました。結果は、現在の蔡英文(ツァイ インウエン)総統と同じ民進党の頼清徳(ライ チンドゥ)氏が当選しました。野党、国民党が、一本化出来なかったためでもありますが、今後の中台関係も、現在の緊張状態が続くと思います。副総統のシャオさんも、中国から、独立派とみられていて「毒毒コンビ」と言われています。
私は、昨年12月15日に、日田市が主催して行われた「台湾情勢と日台交流」と云う講演会に出席しました。わがクラブも、20年近く台湾嘉儀玉山クラブのメンバーと食事をしたり、お酒を飲んだり、ゴルフをしたりと、楽しく交流していますので、皆さんにも関心を持っていただきたくて、その講演会の内容について、お話しします。
講演者は、藤重太(ふじ じゅうた)さんと云う方で、時々テレビに出て、台湾問題の解説をされています。この方は、若い頃受験に失敗して、台湾で中国語の語学留学でもしようか、との軽いきっかけで行ったことで、台湾と縁ができて、台湾の魅力にハマったとのことでした。その後、国立台湾大学を卒業されて、日本と台湾で企業経営をしながら、日台交流のアドバイザーもされています。マスコミからは、とても台湾に詳しい日本人と言われています。
台湾では、お年寄りから子や孫に、日本統治時代の教育、インフラ整備、特に衛生管理が素晴らしく、かなりの感染症から台湾人の命を守ったことで、日本人は素晴らしかったと伝えられていることが、今の親日の基礎があるとのことです。ずいぶん昔は、日本人だと分かると、家に上がるよう言われ、食事を振る舞ってもらったとのことでした。そのことは、私たちも嘉儀に行った時は、いつも厚いもてなしを受けていますので、よく理解できるところです。
最近の中国との向き合い方、中台関係について、よく日本人から、「中国からの圧力が大変でしょう?武力侵攻が近いのでは?いわゆる台湾有事が迫っているのでは?備えは出来ていますか?」と聞かれるとのことです。
これに対し、多くの台湾人は、「台湾の歴史は、いつも台湾有事だったので、なるようにしかならない。」という感覚のようです。「備えもそれなりに、しっかり出来ているから大丈夫です。」と意外に落ち着いているとのことです。
むしろ「日本人が有事を煽っているのでは?有事を期待しているのでは?」と受け止めているようです。「日本人の心配してくれる気持ちは、有り難いが我々は、大丈夫です。」とのことでした。私たち日本人が考える「台湾有事は日本有事」は、一部のマスコミや政治家からの発信で、少し先走りの感があるのでは?と感じた次第です。
来週も、この講演の続きで、台湾情勢、経済関係のお話をしたいと思います。
会長の時間を終わります。
会長の時間22
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
「 原正隆会友、ご逝去 」
新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今年の正月三が日は、我々日本人にとって、大変心苦しい三が日になりました。
大半の方が4日から仕事始めだったと思いますが、ご存知の通り、私たちのクラブの最年長会員であり、敬愛する原正隆会友がお亡くなりになりました。先日の家族会でも、お話ししたばかりでしたし、10月の60周年記念祝賀会では、元気に乾杯のご発声をされましたので、信じられない気持ちで、お通夜と葬儀に出席し、弔辞を申し上げました。
今日の会長の時間は、原正隆会友について、お話させて下さい。
原正隆会友は1976年9月12日に、チャーターメンバーであり、従兄関係にあった故井上幸一会友の紹介で、日田ロータリークラブに入会されました。この年は、創立11年目の年でした。その後、1991年から1年間、会長を務められました。幹事は、佐藤武朗会友でした。当時の会員数は52名で、予算は約880万円とあります。ちなみに今年度は1820万円の予算となっています。当時は、シニアアクチブ会員という制度があったようです。
原会長年度の活動計画書を見ますと、原会長は、重点課題として、①クラブの充実を図りたい ②会員増強に努めたい ③出席率の向上 ④ロータリー財団と米山に理解を深めたい ⑤地球環境の保全、と抱負を記されています。
特に2番目の会員増強で実績を上げられ、9人の増強があり、一時は61人となりました。当時の会員増強委員長は江藤俊男会友でした。また出席率は、94.65%となっています。
私が入会した頃は、先生は大変お元気で、髪の毛はいつもテカテカ、身なりもいつもビシッとすきがなくて、話し掛けるには畏れ多い先輩でした。夜間例会やお酒の席では、興が高じると、スマトラ島のジャングルに原住民の案内で、虎狩りに行った話をしてくださいました。暗闇のなかで、虎の目が光った話を聞いた時は、ゾクゾクした記憶があります。他にも豪快な伝説をいくつか聞いていますが、少し時間が経ってから、話したいと思います。
今年度、膳所会友がガバナーになったこと、地区大会が日田で行われることを大変喜んでおられましたので、ロータリーが大好きだったご本人が一番無念だったと思います。あとに続く我々は力を合わせて、いよいよ5月に近づいた地区大会を成功させなければならないと思います。
原正隆会友の長年に亘る日田ロータリークラブでのご尽力とご協力に感謝申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。
会長の時間を終わります。